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サポート生活でどたばたな毎日!


by torakog

"グリーフケア"をあらためて問う(第9期-3)

挑戦的なタイトル。

知らなかったけれど、グリーフケアはブームなんだそうだ。
事故や天災や災害が頻発する世の中に対しての「心のケア」が大事だ、よいことだと考える人が多いんだろう。講義では、それが本物なのかどうかも問われているようだけど

私のまわりにはグリーフケアに関心のある人が少ない。私がまだ40代のせいなのか。
今回の講義、関学の坂口幸弘先生もたぶん同年代だ。
(と思って調べたら、もう少しお若い方だった!驚きだ。)
そう、高木先生もモニター室で坂口先生を紹介されてた時に、「お若いでしょ」とうれしそうに仰っていた。それは、関西のオバちゃんたちに若い男子を見て、目の保養をさせるという意味じゃなく、
この公開講座の参加者も講師陣も、私や坂口先生の親の世代だという事だ。

ほんとうのところ、私や坂口先生が関心を持っているように、

グリーフケアに年齢なんて無いのよ!若いほど必要なのよ!と叫びたい。

年齢のことは私の個人的な考えだけど、
これまでのグリーフケアの常識に対して、一歩ひいた立場、研究者の立場から疑問を呈する
そんな、いつもと少し違った講義でした。



良く考えてみたら、愛する人を失って悲嘆にくれること、それ自体は異常でも病気でもない。

でも、災害や事故、自死で愛する人を奪われた人に対して、なぜケアが必要なのか?
複雑性悲嘆のリスク以外にも、根拠を明確に示す事が出来れば、不要論者を納得させられるのだが。

そして、誰が誰に対してケアを行うのか?
体験者同士が分かち合う会というのは沢山ある。
同じ体験をしたからこそ、気持ちが分かるという一体感を期待しているんだろう。
でも、相手の気持ちに寄り添う事が出来る、そういうスキルを持っている人ならばケアはできるし、
体験者同士でも、細かい所ですれ違えば、傷つけあうことになりかねない。

そして、本当にケアを必要とする人は、辛さのあまり家を出ることもできない人なのかもしれない。

何よりも大事な事。
亡くなった人は、生物学的には死んだけれど、社会的には「生きている」ということ。
心の中に居場所を作って、共に人生を歩むのです。
と、坂口先生が新聞記事で言ってたように。忘れないでいることが一番大事なのだ。

そういう風に支えてあげる、死別体験と折り合いをつけることが、これからのグリーフケアの目標。
by torakog | 2011-10-25 14:41 | GriefCare