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サポート生活でどたばたな毎日!


by torakog

気が進まないこと

昨年最後の記事に「年が明けたら、「喪の仕事」の方は2つの仕事をやっつけないといけない様子。」
その中の「やりたくないこと」についてです。

以下、「自己中心」 「わがまま」と言われても仕方ない内容ですが、
今、現在の私の本心を書くこと、つまりドナーの心理を書き残すことが何かの役に立つはずなので、
あえて書きます。その辺り、ご了解の上、読んでください。



ちょうど一年前、弟は「悪性リンパ腫発症以来最も体調良く」、一度断念した造血幹細胞移植が出来る状態となった。寛解する可能性は非常に少ないものだ、と説明されていたが、それでも彼は一週間悩みに悩んで、移植を受ける事、を決断した。

移植して一ヶ月で再再発、その3ヶ月後に抗がん剤が効かなくなり、体調はドンドン悪化し、逝去した。(この辺りの詳しい経緯は過去の記事をお読み下さい)

さて本題。私にはドナーとしての仕事が残っている。フォローアップ調査に参加することだ。
私は「末梢血幹細胞採取」という方法を選択した。この方法は現在血縁ドナーのみが出来る方法で(骨髄バンクでも近い将来検討中だと聞いたけど)で、ドナーの長期的な健康状態を調査している。こうやって症例を集める事で、将来的な骨髄バンクでの末梢血幹細胞採取の実施につながって、結果的により多くのドナーが参加できる=より多くの移植が実施できるようになって、より多くの血液ガン患者が助かるようになるんだと思う。

もうすぐ末梢血幹細胞採取してから、一年経つ。弟が逝ってから半年と少しが過ぎる。

年が明けてから、この事が私にのしかかってきている。
要するに、「今私が調査に参加して、これからのドナーの役に立つ=より多くの患者が助かっる、でも弟は苦しんで死んだまま帰って来ない、ならば、私が調査に参加する意味って何だろう?」
我ながら、なんという自己中心
去年の秋からカウンセリング講座とか悲嘆についての講座に参加して、カウンセリングも10回ぐらい受けたけれど、結局自分の気持ちの整理を後回しにしてきたツケがきたような気分だ。

一年前の移植から、半年前の弟の死まで、本当にめまぐるしくて、そのあと自分を完全に見失ったことから、やっと立ち直れてきた今、やっと「私が血縁ドナーになって、弟の悪性リンパ腫は寛解せず、最後には逝ってしまったという現実」を私自身はどう整理するのか、を決める時がきたんだろうな。

弟は死んだけど、今後のドナーや血液ガン患者さんの役に立ちたい、だから調査に参加する、
には今の私には偽善だし、かえって自分を傷つけるように思う。弟が死んだ病院、いろんな濃い思い出がある病院に行くのが怖い。フラッシュバック起こしそうだ。

だからといって、調査に参加しなければ、今度弟のような血液がん患者を助ける機会は二度とこないように思う。それはいつかもっと後悔しそうだ。

この二つの気持ちの間でグラグラと揺れ動いてる。結局まだ自分を見失ったままなんだ私。

両親が調子よければ相談しようかなあ、と思ったけど、両親も「喪中の正月」で気持ちが落ち込んだままで、私のほうが話しの聞き役になってる状態だった。

今年最初のカウンセリングを受診した時、カウンセラーにはなんだかトンチンカンなことを言われてしまった。なんかカウンセラーさんは私の気持ちがピンと来ない様子だ。

今の状態だと、イヤイヤ調査に参加するんだろうな。この踏ん切りのつかなさが一番嫌だ。
by torakog | 2009-01-12 22:23 | bone marrow