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by torakog

【本】HLAの不思議

HLAって不思議。HLAって摩訶不思議。

このblogを読んでくれる人のうち、ウツサポの方は「HLAって何?」って思うでしょうね。
がんサポ、特に血液疾患の方には馴染みのある言葉ですよね。
HLAは骨髄移植をするために、検査するものです。
一致してたら「ドナーになれる」アレですね!
白血球の血液型とかよく言われます。

HLAは、今、それを越えて、
人類を絶滅から守るため、ウイルスから守るための遺伝子の多様性となり
オーダーメイド医療の鍵となり
民族のルーツを探すヒントとなったり
そして、よりよい造血幹細胞移植行うための研究において大きなポイントとなる

ここまでの文脈だと、HLAを解明すれば何でもできる、未来は明るいように思えるけれど、
実際には、問題が山積みである事を同時に提示してるように思います。

例えば、骨髄移植をはじめて行った海外の取り組み。
日本で骨髄バンクを立ち上げようとした勇気ある人たち。
今はGVHD(移植片対宿主反応、おおさっぱに言えば拒否反応)をどうやってコントロールするかが課題。
上手く起こせばGVL効果となって癌を根治できる。
GVHDとなれば体のあちこちに障害がでてくる。
全く無ければ、移植後再発することもある。私と弟のように。
ほんとうは、この本を読んだのは、私の場合の答えがあるのでは、と期待したからだ。
弟は移植後たった一ヶ月で再発し、免疫抑制剤を全て絶っても全く効果がなく、
主治医に「全くGVHDが出なかった」と嘆かれ、「私の幹細胞は定着して、移植は成功したけれど、再発した」
まるで私の幹細胞は何の役にも立たなかったような言われ方をした、あの無念さの答えがあるのでは、
と思ったのに。
このことについては、今は未だ「適度なGVHD」は研究途中のものらしい。

残念。私がのどから手が出るほど欲しい物、
なんで私の幹細胞は弟を治さず、弟を苦しめて、死なせる事になったのか
の答えにはまだまだたどり着かないらしい。



本当に、HLAは不思議だ。
造血幹細胞移植が必要な人は、HLAの一致するドナーを死に物狂いで捜し求めるのに。
HLAが一致しても、移植してもNK細胞リンパ腫が治らないなんてねえ。
でも、HLAが会う人を捜し求めるほど、HLAの型に多様性があるからこそ、
人類は病気で容易くは絶滅しないのだ。皮肉な事に。

この本は、日本のHLA研究の第一人者、京都のHLA研究所の所長、佐治博夫さんとその奥様が書いた本です。
生物学の最先端であるHLA研究を神話や時事ニュースも入れて、
なるべく判りやすくなるように書いてるので、
文系頭のドナー経験者でしかない私でもある程度判る内容です。

HLAの不思議
著者 佐治博夫 佐治弓子 発行所(株)悠飛社 2009/10/1初版発行
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by torakog | 2010-03-23 21:26 | bone marrow