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by torakog

末梢血幹細胞採取 四日目

朝、ここ二日通ってる病棟に入院手続きをとる。私は大部屋である。同室者は私以外全員血液関係の病気の方々で、独り健康体のドナーとして混じるのが、気おくれする。

以下、医学的なことを述べてますが、あくまでも私個人の体験談です。
ご承知の上、続き読んでくださいね。



荷物の整理をして、同じフロアの弟の個室に顔を出す。彼がコーヒーを入れてくれた。
話をしてる間に、主治医や看護婦が顔をだして、「部屋に居ないから、弟さんの部屋にいたんですね~さて、白血球数は4.6万。午後から採取します」との事。大部屋の自室に居つかず、個室の弟の部屋に入り浸りでスイマセン・・・今日もノイトロジン注射される。これで最後の注射、のはず。

担当の看護婦さんから、採取の説明を受ける。採取中の4-5時間はトイレにいけないこと、起きたり動いたりも出来ないことなどである。

早めの昼食後、いよいよ採取。
末梢血幹細胞採取は、アフェレーシス(apehresis)という方法で行います。これは、
体の片側から血液を採取=>器械で必要な細胞を取り、残りの細胞(赤血球など)を体のもう片側の血管に戻すことです。“体の片側”は普通、腕の血管なんですが、がっ!腕の血管が余り浮かない私の場合は 「右足のそけい部の太い血管から血液を採取=>左腕に戻す」ことになりました。アノ毛、剃っといて良かった~(爆) 採取中の私は、脚の付け根と腕に長い針をさして、そこから長いチューブがのびて、頭の後ろでは写真の器械がウィンウィン回ってる。文字通り、「器械につながれた状態」。
末梢血幹細胞採取 四日目_f0149648_22223614.jpg

写真は採取後のその器械。上には何本もの点滴バッグがぶら下がり、下には遠心分離機。
腕や足がほとんど動かせない。動かすと、「これ以上はダメ」とばかりに針の痛みがくる。
これで大地震が起きたら逃げられないよな~神様、採取が終わるまでは何事も起きないで下さい!!と祈りまくる。

移植スタッフの方が、腕も足も動かせなくて本も読めないので、退屈だろう、と配慮くださって、
DVDを見られるようにしてくださった。ありがたく好意をうけて、忙しくて録画したきり見られなかった、宝塚歌劇を見る。弟の現況を考えれば、ちょっと不謹慎かもしれないけど、何もないと針の痛さを余分に感じる事になるから、許してもらおう。DVD見てる間にも器械はまわり、頭を後ろに倒すと、バッグに赤い液体が増えていくのが分かる。あ、取れてるとれてると確認。時々移植スタッフが様子を教えてくれる。

そして、予想通りの副作用、低カルシウム血症がきた。全身のしびれ。これが「長時間正座した後のしびれが全身にきてるのに、こちょばゆくない」感じ。しびれるけれど、指は普通に動くし、物も普通にもてる。これは「投与後にカルシウムを取れば治ま」った。あと、脚が金縛りにあったようにベッドに沈み込む感覚もあったけど、これも同じだと思う。

そんな感じでDVDを見ていたら、「そろそろ終わりますよ~」と声かけられた。
無事終わった~良かった~安心感もあって、採取したての末梢血幹細胞を見せてもらう。
末梢血幹細胞採取 四日目_f0149648_2233814.jpg

赤いのは血漿が入ってるため。私とレシピエント(弟)は赤血球の血液型が同じなので、このまま凍傷防止剤を入れて、マイナス130℃で移植日まで凍らせる。(赤血球の型が違うと、処理されるそうだ) 採取してすぐなので、触ると暖かい。自分の体温なんですよね~思わず、「頑張って弟をなおしてくれよ!」と握り締める。写真の量で約400cc。だが問題なのは量ではない、細胞数なのだ。それは翌日分かるのだ。足りなければ骨髄採取なので、ドキドキである。

看護師さんと車椅子で部屋に戻る。低カルシウム血症改善のため、買っておいたヨーグルト2個一気食いする。美味しいっ。そして、「あまりうろちょろしないで下さいね」と言われたので大人しくベッドですごす。弟の個室に行きたいけど、というか、まだ全身がしびれて弟に顔だせそうにない。こういうとき携帯メールは便利。適当に言い訳しておこうっと。

約2時間弱後、弟の個室にいた母にあう。なにやらへこんでる。弟の神経に触ることを言って、彼に怒られたそうだ。母はごちゃごちゃいってるけど、悪いとは思ってないらしい。しばらく病院には行かない、とか言ってる。あ~あ。母は弟が発病していらい、混乱しすぎて、病人との距離のとり方が分からないらしい。怒られたから、本当に会わない、なんて言えるのかよ(怒)
どうやら私のしびれは母には分からない様子。をいいことに、もうちょっと落ち着け、と説教してた、と思う・・・怒涛の一日を締めくくるような出来事だ。

病院の消灯9時。入院前は「絶対にそんなに早く寝られない」と思ってたけど、爆睡しちゃった。
長い一日だった。でも明日も明後日もつづくんだよね。

末梢血幹細胞採取、移植に関しての詳しい説明が国立がんセンターHPにあります。
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/dia_tre/treatment/zouketukan/comparison.html
by torakog | 2008-02-26 22:16 | bone marrow